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残業代請求事例・体験談

実際に残業代請求した人の体験談です。

1)Aさんの場合(男性 営業職 45歳)
Aさんは、在職中は、会社からの残業代の支給ついて、営業職には営業手当がついているので、それが残業した場合の残業代に相当すると言われて納得していた。しかし、長引く不況で益々勤務時間は長くなり、時間外残業や、休日出勤も増加していった。
景気の良かった頃に比べて、残業時間は倍以上に増加したが、営業手当は全く増額されないで昔のままであった。
不満を持ちながらも、不景気だからと渋々納得して勤務していたが、この不況の中、幸いにも勤務時間も待遇面も今より良いところに転職できた。
丁度、その頃Aさんは、残業代の未払い請求の裁判を行っている人と知り合い、残業代請求の範囲の広さについて詳しく話を聞く機会を得た。
今まで、会社の言い分に納得していた営業手当に関して、営業時間外の勤務時間数に比べて営業手当が低い場合はその差額は残業代の請求をできることを聞かされた。
Aさんは、腹が立ったが裁判となると時間もかかるし、費用も大変だろうと思ってあまり積極的になれなかったが、裁判でなくても、解決できる方法(労働審判)があることも聞かされて、また思い悩んで時間が経過すると2年の時効によって請求できる金額もどんどん減少することから残業代請求に思い切って踏み切ることにした。
幸いに、辞めて日が浅いこともあって、訪問先のアポイント時間など勤務実態の記録を詳細に残していたこともあって、勤務時間の把握もタイムカードがなくても把握できて交渉を順調に進めることができた。
知人の勧めもあって専門家に相談をして、100万円の近い金額の残業代を得ることができた。
知人と違って、裁判までもつれることもなく、会社が残業代請求に応じてくれたのでAさんは嬉しさを噛み締めて知人に感謝している。


2)Bさんの場合(男性 管理職 56歳)
Bさんは従業員10名未満の会社の技術者。勤務年数が長いことから、課として組織もなく営業課の技術担当で、部下もいないが肩書きは課長職にある。わずかに、同じ若い技術担当者に対して、経験からくる豊富な技術知識を指導したりしている程度である。実態は技術の仕事の傍らで、営業の仕事もしたりしている。
会社はわずかばかりの管理職手当を支給していることを口実に残業代ゼロながらも、責任感が強く毎日遅くまで若い担当者のフォローまで含めて残業をして頑張っている。 最近のニュースで、管理職であっても名ばかりの管理職の場合は、残業代の請求をできることを知り、管理職手当が残業代に全く不足していることから、会社と交渉することにした。
まだ勤務している会社で、Bさん自身にとって仕事そのものは気に入っており、決裂したら辞めるほどの不満は持っていなかったので、悩んだがまずは、専門家の無料相談を利用して交渉テクニックや、また名ばかりの管理職が労働基準法では残業代支給の対象になることの理論武装をしっかりと教わって、思い切って交渉することにした。
すると、会社側もいろいろな報道で問題点を把握していたこと、若い技術者がまだ十分に独り立ち出来ておらず、会社としてはBさんに辞められては困る状況から、過去の残業代までは支払えないが、管理職手当てを倍増する案を提示してきた。
この案は労働基準法の趣旨に反するが、今、Bさんは悩んでいる。今後、過去の残業代に見合う分がせめて半額を貰えれば納得することで、更に会社側と交渉する予定である。その背景には若い技術者の成長が見込めるので、負担が減り残業も減るだろうと見込めるからである。退職まで後数年、波風を会社側と立てたくない思惑もある。


3)Cさん(女性 一般事務職 33歳)
Cさんは、タイムカードも出勤簿もないアットホームな会社に10年近く勤務。結婚後、腰掛のつもりで働き始めたが、なかなか子供に恵まれなくて10年近くも勤めてきた経緯がある。ところが、ようやく子供に恵まれて大事を取って会社を退職することした。
ハッピーな家庭生活になるはずであったが、運の悪いことに夫の会社の業績が急降下、夫はリストラされてしまった。
この不況下、夫は40歳未満であるが、なかなか再就職できなくてCさんは困ってしまった。ある程度のたくわえは有るが、夫の再就職が長引いても安心していられるほどの余裕の蓄えでもない。
そんな時にたまたま見かけた残業代請求のネットの記事。そういえば、勤務していた頃、子供いなくて、夫も会社が忙しく帰りが遅いこともあって、毎日1時間強程度の残業をしていたことを思い出した。
アットホームな会社なので苦痛とも思わず仕事があったので、なんとなく残業していたが、その残業代は一切、貰っていないことを思い出した。タイムカードもない会社なので会社側が残業を認めるのかが不安であったが、専門家によるとそのような会社は残業の実態があれば認められると聞き、また、Cさんはこんなことを意図した訳ではないが帰社時間をメモする癖があり、その記録が残っていた。
そこで、Cさんには多少のためらいがあったが、背に腹は変えられず残業代請求をすることにし、記録の金額よりも減額にはなったが、70%程度を貰える事になり大満足している。
ネットの記事を見なければ、それほど不満のある勤務状態でなかっただけに残業代請求は思いつかなかったのではとCさんは思っている。会社側に記録がなくて、自身のメモがそのまま信用されることもCさんにとっては驚きであった。


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