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立ち退き料について

「立ち退き料」とは、貸主の都合で立ち退く場合に、明け渡しと共に借主へ支払われる代金のことです。
立ち退き料が支払われる際の最も代表的な例が、貸主の都合だけでは正当事由として認められない場合に、立ち退いてもらう条件として代金を支払うというケースです。
すなわち、立ち退きを請求する正当事由が充分でない場合、立ち退き料を支払うことによって、正当事由として認められる場合があるということになります。
立ち退き料には、以下の補償が含まれます。

●移転に要する費用の補償

・引越しにかかる費用(引越し先への敷金・礼金、保証金などを含む)
・引越しにより賃料が増加する場合の、引越し前の賃料との差額など
※立ち退き料が発生する際、まずは移転に要する費用をどこまで補償するかを決めることになるでしょう。

●営業補償

・営業休止期間中も通常通りの営業を行っていたら、得ていたであろう収益に対する補償
・移転による顧客減少など減収分に対する補償
・移転により発生した諸経費に対する補償

●立ち退きによって失う利用権の補償

・今後も土地や建物を利用出来たはずが、立ち退きにより利用中止を余儀なくされた事に対する補償

●早期解決のための補償

正当事由が明確な場合でも、強制的に立ち退かせるためには裁判が必要となります。
裁判には多額な費用と時間を要するので、面倒を避ける為にある程度の立ち退き料を払うケースがあります。

立ち退きの際に上記のどこまでを補償するかは、それぞれの事情や個々の事案によって変わってきます。
一般的には立ち退きの事情が正当事由に遠いほど立ち退き料の範囲は広く高額となり、正当事由に近いほど範囲は狭く低額になります。

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