ただしい遺産相続のすすめ～正しく理解する必要のある知識とは？～

法律用語はわからない～相続で良く出てくる単語～

相続のトラブルは近年多くなってきている問題のひとつです。厚生労働省が発表した、2019年の人口動態統計によると、高齢者の割合は総人口の28.4%です。高齢化社会が進むにつれ、相続のトラブルもそれに比例するよう増加しています。

とはいえ、遺産相続を考えるにあたって、いくつかの法律用語を理解しないと、うまく対策が練られないかもしれません。どんな意味を持つのか、確認していきましょう。

⑴被相続人

亡くなった人のことをさします。なお、相続が開始される日は、被相続人が亡くなった次の日からです。

⑵相続人

被相続人の財産を相続するひとのことを指します。おもに配偶者や被相続人の子どもなどの血縁関係の方が多いです。

⑶法定相続人

被相続人の3親等内のひとのことを指します。法定相続人の数によって相続税のかかる金額が変わります。また、養子も2人までなら法定相続人としてカウントされます。

⑷受遺者

遺言書によって遺産の相続を指定されたひとのことを指します。相続人と異なり、血縁関係がなくても遺産を受け取ることができます。

以上が、相続が発生したときに登場する主な法律用語になります。相続の分割方法は、前述した遺言書・遺産分割協議・法定相続です。一体どんな分けかたなのか確認していきましょう。

遺産相続の方法 ①遺言書

遺言書は相続の3つの分割方法のうち、最も効力が強い方法になります。被相続人が、生前に残した、遺言書の無いように沿って遺産が分割されます。

また、遺産の分割方法だけではなく、子どもの認知や相続人の廃除などもおこなうことができます。遺言書は強力な効力を持つので、他の方法で遺産分割を決めていたとしても、遺言書が後から出てきた場合には、遺言書の内容が優先されます。

なお、遺言書の効力を無効にするには相続人の全員の同意がなければ、破棄できません。とはいえ、強力にみえる遺言書でも、相続人が持つ遺留分の権利を侵害することはできないので、相続人同士の遺留分をめぐって争いに発展する可能性があります。

遺産相続の方法 ②遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産をどのように分割するのかを決める話し合いになります。相続税が発生している場合には、原則として10か月以内に各相続人の取り分を決めなければなりません。

しかし、遺産に相続税が発生しないときには、特に期限が決められていないです。また、後述しますが⑶の法定相続は、遺産分割協議で法定相続の分割方法に同意をしなければ、おこなうことができません。このように、相続人全員の話し合いで決めなければならないので、相続のトラブルが起きやすい側面もあります。

遺産相続の方法 ③法定相続

法定相続とは、法律で定められている割合に沿って、遺産分割をおこなうことです。割合については、被相続人の続柄によって異なります。一見、平等に見える法定相続ですが、こちらにもデメリットが存在します。

被相続人の残した財産が、現金や預貯金などの分けられる財産のみであれば、特に問題が起きないかもしれませんが、不動産になるとややこしくなります。不動産は、ケーキのように割り切れるものではないので、相続人等の共同名義で所有することになります。不動産の利用方法を巡って、トラブルが発生する可能性をはらんでいます。

まとめ

今回は、相続で出てくる基本的なキーワードや、遺産の分割方法について解説していきました。どの方法にもメリットがありますが、反面デメリットも存在します。

完璧に相続争いの可能性を無くす方法はなく、言い換えればどの方法を選んでも相続争いになる場合もあります。極力確率を低くするためには、遺言書を残してもらうことが一番でしょう。ただし、遺言書の作成にあたって、いくつかのルールが決められています。ルールが守られていないとせっかく書いた遺言書も無効になってしまう可能性が高いです。

したがって、「効力が発揮される遺言書」を作成されたいときには、一度専門家に相談することをおすすめします。

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