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敷金をめぐるQ&A

Q:賃貸借契約書に署名、捺印してからこちらに不利な項目が何箇所もある事に気付いたのですが、署名捺印してしまったら、諦めるべきですか?

A:大丈夫です。
賃貸借契約書は借主に不利なルールばかり書かれているものです。「○○は借主が支払いなさい」と書かれていても大体は、本来貸主が負担しなければいけない事が多いのです。
費者に極めて不利な契約は契約そのものを無効とするとして消費者契約法でも定められています。

Q:契約書に署名、捺印しても支払い義務がないと言いましたが、取り合ってくれません。どうしたらいいでしょうか?

A:貸主側も借主が契約書に署名・捺印しても支払う必要がないことを知っています。
貸主側も敷金を返還しなければいけないことはわかっています。
不動産業者の中にはハウスクリーニング代等を借主から取ることができると歩合(ぶあい)がもらえるところもあると聞きます。
貸主側とお話が進展しない場合は、敷金返還のお願い書や内容証明のような正式書類を作成し提出しましょう。
借主も本気で敷金返還を望んでおり、下手したら裁判で訴えられるかもしれないと考えすぐに敷金を返してくる業者が多いです。

Q:タバコで壁紙が変色したので、壁紙張替えの工事費を負担して欲しいと言われました。家で吸った本数はそう多くはありません。それでも張替えの費用を負担しなければなりませんか?

A:喫煙自体は、用法違反でも善管注意義務違反でもないと考えられています。
ですから掃除で落とせる範囲の汚れならば通常損耗の範囲内とされています。
ただし、ヘビースモーカーで、掃除では落とせない程汚してしまった場合は、支払義務が生じる場合があることも憶えておきましょう。

Q:クロスを一部破いてしまいましたが、一部屋分張り替える必要があると言われました。同じ柄がない場合はそのような事も仕方ないのでしょうか?

A:クロスに限らず、ふすま紙などでも「柄が合わなくなるから全体を張り替える費用を負担してくれ。」という大家さんは多いのです。
破いた部屋だけでなく、全ての部屋の張替え費用を請求してくる貸主もいるようですが、借主が負担しなくてはならないのは最小範囲です
柄が合わなくなるからといって、全部の張替えを対象に請求するのは過剰請求になります。

以下は居住年数による借主負担金の違いです。

  0.9m×2.3m(クロス1面の幅×壁高さ)×1㎡/1,100円
  =2,277円(実費)
  ●2年入居した場合の借主負担金
  2,277円(小計)×70%(負担率)=1,593円(借主負担金)
  ●6年入居した場合の借主負担金
  2,277円(小計)×10%(負担率)=277円(借主負担金)

 ※居住年数が長くなると負担金額が増えると思っていらっしゃる方が多いのですが、居住年数が長くなると負担金額は少なくなります。

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