事業承継について

■事業継承とは
事業継承とは、現在の経営者から後継者へ会社の事後湯を引き継ぐことをいいます。この事業継承では、①経営者の承継、②財産の承継を行う必要があります。

■経営者を誰に承継させるか
事業継承では、経営者を誰に承継させるかということが重要になってきます。選択肢としては、?家族に承継させる方法や?社内で継承する方法、?事業の売却という方法があります。

?家族承継
家族経営の中小企業では最も多い承継方法です。この方法を取る場合は、社内周知や家族への説明が必要となります。社内周知については、従業員から不満の声が上がらないようにするために、徐々に後継者について周知させる必要があります。また、家族への説明は、後継者に兄弟がいた場合に、会社の経営権を巡って争いになる可能性があるため、こちらも納得してもらうために説明を尽くす必要があります。

?社内継承
社内継承とは、会社内の人事異動によって優秀な社員などを昇格させる形で事業継承を行うものです。この場合は、現経営者に代わって銀行の保証人などになる可能性があるので、事前に後継者の家族に説明し、理解を求める必要があります。また、後継者に会社の株式を取得させる際には、その取得資金も用意する必要があります。

?事業の売却
社内や親族に後継者が見つからず、それでも事業承継をしたい場合、事業自体を売却するという選択があります。この場合は、従業員からの反発が予想されるため。丁寧な説明が求められます。

■財産の承継
事業承継は人事だけでなく、財産面での承継、つまり、保有株式の承継も必要となってきます。この際、主に、?後継者への贈与、?後継者への譲渡、?後継者への相続という3つの方法があります。

?後継者への贈与
後継者への贈与では、現経営者の持ち株を後継者に贈与することによって財産を承継します。この際、後継者はその株式に対して対価を払う必要はありませんが、別途贈与税がかかります。

?後継者への譲渡
後継者への譲渡は、後継者に対して保有している株式を売却するものです。この方法であれば、株式の移転が遺産の相続に巻き込まれることがなくなるため、確実な財産の移転ができます。ただし、売却時に後継者が対価を用意する必要があり、それを取得した現経営者に対しては、所得税や住民税が課されることになります。さらに、不当に安い金額で売買した場合、その分を贈与と見なされ、贈与税が課税される恐れがあるので、注意する必要があります。

?後継者への相続
相続の際の遺産分割を利用して、後継者に株式を相続させることによって、後継者に株式を承継させることもできます。ただ、この方法であると、事業承継のタイミングが計れず、不安定になることや、相続税を課される恐れがあるというデメリットが存在します。

このように、事業承継には何かしらの税金を払う必要があります。そのため、少しでも税負担を少なくするためには、専門家などに相談すると良いでしょう、