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社葬・企業葬儀の流れ(準備)

~喪家への対応~
会社が社葬の施行を検討している場合、取締役会を開くこととなりますが、その前にはず、遺族の意向を確認する必要があります。遺族にその旨をお伝えして、了承していただきます。
故人の宗教や宗派などを確認して、葬儀費用の負担割合も同時に説明します。その後は、菩提寺に連絡して、僧侶に社葬を行う旨をお伝えします。
通常、病院への支払いや自宅での密葬費用、火葬料金は遺族側が支払い、社葬の関連費用は会社側が支払うというケースが多いですが、全費用を会社側が負担する場合もあります。社葬費用の多くは経費として扱われますが、基本的に、葬儀自体が終わってから行う初七日法要・四十九日などの法要は、葬儀費用とは認められません。
遺族の相続税の兼ね合いをしながら、税法上問題のない範囲で双方が話し合って決めます。

なお、同族会社では、ここでの話し合いの結果が、同時に会社の決定となります。

~取締役会の開催~
取締役会では、社葬取締規定に則り、社葬費用は経費として扱うため議事録も残されます。
社葬の決定から施行まで約1ヶ月となります。早めに取締役会を開催し、重要事項を決定しておかなければいけません。
取締役会で決める事項は、以下のようなものがあります。

■取締役会での決定事項の例
・社葬実施の決定
・社葬費用の範囲、経費に算入する範囲の決定
・社葬の規模の決定
・概算予算の決定
・葬儀委員長の決定
・香典、供花、供物の取り扱いの決定

~社葬実行委員会の設置~
社葬の施行が決定したら、まずは葬儀委員長を中心として葬儀実行委員会を組織します。
■葬儀委員長の決定
故人が会社の会長や社長であった場合は、次期社長がなるケースが多いでしょう。外部に依頼することもありますが、いずれにしても会社にとって重要な人物であること、社会的立場・年齢・故人様との進行の深さなどを勘案して決定します。候補者が複数出たときは、葬儀副委員長を設けることも多いようです。

*外部に依頼するときの例
・国会議員や市長など公的な立場にある議員
・重要取引先の社長や銀行の代表

■葬議実行委員会の業務分担
葬儀実行委員会が設置されるのと同時に、葬儀委員も決定します。葬儀委員に選ばれるのは、その任務に関する知識や適性のある社員となります。

*業務分担の例
・企画、進行係 日程や式場、弔辞者、指名焼香者を決定する
・遺族係 遺族と連絡を取って打ち合わせを行い、葬儀当日の会場案内や接待をする
・僧侶係 僧侶の窓口となり、当日は控室などで接待をする
・会計係 葬儀後の税務処理を含め、香典の管理、葬儀費用の支払い、現金の入出金の管理をする。
・式場係 参列者の席順を決め、式場の運営管理を行う
・受付係 式当日の受付を行い、会葬者芳名録の管理や香典帳を作成する
・文書係 通知状、会葬礼状、スケジュール表、訃報記事、式次第などのさまざまな文書作成し、印刷者に依頼する
・記録係 弔辞や挨拶を録音し、写真撮影、ビデオ撮影などを行う
・車両係 車両の手配、駐車場の整理、来賓の条項の補助、運転手への接待などを行う

~社内・社外への通知~
■通知方法
一般的に、社員に対しては朝礼や集会、メールなど社内連絡手段をもちいて連絡しますが、来賓には通知状を郵送、持参してお伝えします。結婚式のはがきと異なり、返信用はがきは使用せず、手紙が到着したころに電話でお伺いを立てるのが基本です。
葬儀の日時や場所が決定したら、社外の取引先や関係者向けに、通知状を郵送するか、新聞広告を手配して告知をします。

■通知状の例
弊社 代表取締役社長 ○○○○○儀 ○月○日○時○分 ○○のため永眠いたしました
ここに生前のご厚誼を深謝し 謹んでご通知申し上げます
なお 通夜ならびに告別式は 社葬をもちまして下記のとおり執り行います

日 時 葬儀  ○月○日 ○時から○時
告別式 ○月○日 ○時から○時
場 所 ○○○○○(○○駅下車徒歩〇分)

~社葬の詳細決定~
■日程・会場決定
日程は、社葬の実行で重要な関係者や会場の都合を考慮して決定します。「友引」は避け、四十九日までに社葬の施行日を決定します。
取引会社が多く参列することが想定されるため、忙しい月初・月末・土日・祝日を避けて平日の昼間に行われるケースが多いようです。

■供花の取り扱い
頂いた供花の配列には順番があり、祭壇に最も近い場所や入口の門など、目立つ場所ほど上位の配列となります。
最上位の場所に遺族・親族一同・役員一同からの供花を並べ、次いで議員や重要取引先からの供花を配置することが多くなります。また、ライバル会社からいただいた供花は、経緯を表して上位に配置する傾向にあります。
なお、最近は、供花を辞退することが増えてきています。主な理由は以下のようなものがあります。
1.供花の数を予測できない
2.複数の供花が別々に届き、デザインの不均一性から見栄えがしないから
3.配列順を決定するのが難しく、トラブルの原因となる可能性がある

■その他の決定事項
その他、決定しなければならないことの例は、以下のようなものがあります。万全に期すために、社内事前説明会を実施することもあります。
・会場レイアウトの決定
・式次第の準備
・祭壇の決定・
・指名焼香者の決定
・社葬参列者名簿の作成
・会葬返礼品の準備
・宗教者の決定
・遺影の決定
・飲食の手配
・展示物(メモリアルコーナー)の決定

~リハーサル~
社葬では、式前日にリハーサルを行い、当日の流れを確認します。
■リハーサルでの確認事項
・タイムスケジュールの確認
・葬儀委員の役割、配置確認
・式場の設備、備品の確認
・式場レイアウト、供花、名札の配置と序列の確認
・照明やカメラなど動線の確認

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