創業2期目の事業者の方より、「新たな融資を受けたい。」というご相談をお受けしました。事業内容が進化しており、海外展開も視野に入れて活動を開始して具体的に営業が進捗している案件もあり、数か月内に1,000万円程度の海外売上も見込んでいます。

しかし、現状の試算表を確認したところ、売上高はそれなりに上がっていますが、まだ創業赤字からは脱却できていない状況です。

私からは、「足元の業績が赤字であるため新規融資は簡単ではないが、具体的な売上も見込まれていることから、日本政策金融公庫の海外展開融資を申し込んではどうか。」と提案しました。

しかし、既に日本政策金融公庫には事前打診済みであり、試算表のみを提出したとのこと。いわれた通りの赤字の決算書のみで事前審査を依頼しても、良い回答がもらえるはずはありません。絶対に補足説明が必要です。

金融機関が過去の実績を重視するのは間違いありませんが、決して未来を見ていない訳ではありません。具体的な売上の見込み等がある場合は好意的に受け止めてもらえます。未来のことはこちらから説明しなければ金融機関は知る由もありません。

過去の財務内容だけでは評価できるポイントがなければ審査に通る可能性は殆どありません。試算表を送ってくれという指示に素直に従うのではなく、直接お会いして経営計画等を提示しながら「未来の説明」をしっかり行いましょう。