高齢者事故の特徴

交通事故による死者数が減少していくなかで、65歳以上の高齢者の交通事故死者数に占める割合は年々増加しています。
高齢者の死者数の内訳は歩行者が49.6%（平成23年中）と半数近くを占めています。

事故に遭われた状況の中でも特徴があります。
高齢者の歩行中の事故は、自宅の周辺で、夕方や夜間に集中している点です。

高齢者事故の特徴について身体的機能の低下を本人が自覚しておらず、それが事故につながっているケースも多いといわれています。
高齢者は車が来ることは分かっていても「渡りきれる」と判断し、道路を横断し始めることが要因があるものと思われます。

また、現代の高齢化社会の中で高齢運転者数が年々増加傾向にあり、運転手として加害者になるケースも珍しくなくなりました。
高齢者が運転手として事故を起こす原因としては、以下のようなものが挙げられます。

・進行方向に気を取られて信号や標識の見落としてしまう

・加齢により視界が狭くなり、安全確認が不十分

・とっさの判断に時間がかかってしまう

・長年の運転の慣れから過信して安全確認、一時停止を怠る。

その他、高齢者の中でも75歳以上の方で極めて多いのが、ペダルの踏み間違いです。

身体能力の低下を自分自身で感じることがあれば、運転免許証を返納し、運転自体を控える勇気も必要です。
身分証明書として運転免許証を所持し続ける高齢者も多いそうですが、高齢や健康上の理由から免許証を返納した人を対象に「運転経歴証明書」を発行する制度があります。
免許証を持っていたことを証明し、身分証明書として使えます。