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個人情報漏洩と損害賠償額

個人情報が漏洩した場合の損害賠償額はケースバイケースですが、一人一人については数千円から数万円程度の範囲のことが多いです。
しかし、一度に大量の個人情報が漏洩した場合は、トータルでは大きな損害賠償額になってしまいます。

●民法上の損害賠償請求

個人情報を漏洩してしまったような場合、漏洩した情報の本人に対して、民法上の不法行為(プライバシー権侵害)として損害賠償責任を負います。
漏洩による実被害がある場合はもちろん、実被害がなくても漏洩したということ自体により、慰謝料などの損害賠償責任を負うことがあります。
民法上の損害賠償請求自体は、個人情報保護法の全面施行に関係なく以前から行なうことは可能でしたが、
民法709条の不法行為として損害賠償を請求する場合などでは、請求する側は相手方の過失を立証する必要があり、過失を証明することが困難な場面も多くありました。
そのような状況の中、個人情報保護法が全面施行されることで、個人情報取扱事業者に様々な義務が課されるようになり、これらの義務の不備によって過失を証明することが従来より容易になるのでは、と言われています。
したがって、民法上の損害賠償請求・慰謝料請求のなされる可能性が今後はますます高まることが予想されます。

●損害賠償額

個人情報漏洩自体による損害賠償額(慰謝料)は、過去の裁判例では、概ね一人あたり数千円から数万円程度です。
また、裁判にならなくても、自主的に一人あたり500円から1万円くらいの商品券等を配ったりするということもよく行われています。
一件ごとの賠償額は少額でも、漏洩した件数が多い場合、総額では巨額の損害賠償を支払うことにもなりかねません。
以上のように、個人情報漏洩のケースでは、一人一人についての損害賠償額はそれほど大きくならないものの、場合によっては数億円といった負担が生じるリスクについて、企業は十分認識しておくべきでしょう。

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