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労働に関する紛争を解決する方法:労働調停について
裁判所を利用して残業代を請求する方法の1つとして、民事調停の制度を利用することができます。これを一般に労働調停とも呼びます。労働事件における民事調停では、裁判官のほかに、一般市民から裁判所が選任した調停委員2人以上が間に入って、労働者と使用者との話し合いを進めていきます。一般的に調停委員には、弁護士や大学教授、有識者などが選任されます。
調停では、両者の間で合意ができた場合、裁判所が、「調停調書」と呼ばれる書面を作成します。これが非常に重要で、調停調書は確定判決と同様の効力を持つとともに、これに基づき強制執行を申し立てることもできるようになる強力なものです。
◆労働調停を利用するメリットとは◆
労働調停は、対立して争う訴訟と違い、話し合いが前提になっています。
そのため、裁判よりも状況に応じて柔軟な解決が可能です。また、裁判のように感情的にならず、冷静な判断ができるという効果も期待できます。
また、労働調停では、裁判所が選任した調停委員が話を聞いて解決案を模索してくれることがありますので、当事者に厳密な法的知識がなくても、弁護士等の専門家に依頼せず、当事者のみでも行うことができるというメリットがあります。
ただしその反面、あくまで話し合いですので、当事者間での対立が激しい場合や、意見が真っ向から食い違う場合は、調停での解決は難しいので、労働審判や訴訟を利用することになります。
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