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不祥事が発生した際の広報について

不祥事を起こした際に記者会見などの危機管理広報を行う目的は、危機(リスク)が発生している場合や
危機(リスク)の発生が迫っている場合に、その危機の存在を社外に公表し、危機の解消・予防を図ったり、危機の拡大防止を行うことにあります。
そこで、会社が不祥事を発生させたとき、もしくは不祥事の発生が予測されるときには、広報活動で以下の内容を盛り込んで発表すべきでしょう。

●謝罪する

会社が記者会見などの危機管理広報を行うのは、危機が現に発生したか、危機の発生が予測される場合です。
危機が現に発生している場合には、その危機によって迷惑や損害を受けている被害者的立場の人が発生しているので、会社が謝罪するのは当然のことです。
また、危機はまだ発生していなくとも、危機の発生が予測されるという場合も、危機発生が予測されるような状況を招いたことによって、不安を感じている人に対し、謝罪することが必要です。

●事実経過を説明する

記者会見をはじめとした危機管理広報の場では、その時点までに明らかになっている事実を説明する必要があります。
いつ、どこで、誰が、何を、なぜ危機が発生したのか(発生が予測されるのか)、どうやって発生したのか(発生するのか)を説明します。
事実の説明がなければ、広報の受け手である記者や消費者は何が起きているのか理解できません。
記者が理解できなければ、報道を通じて危機の存在を知ることになる読者あるいは視聴者は、何が起きているのかをますます理解できなくなってしまいます。
これでは、会社は危機を解消・予防・拡大防止するという目的を達成できず、危機管理広報を行なう意味も無くなります。

●原因究明の結果を発表する

原因究明の結果を発表することはとても重要です。
原因まで発表しなければ、危機の解消・予防、危機の拡大防止には役立たないからです。
例えば、製品事故の原因が、構造上の欠陥にあるのか、それとも製品の使用方法の問題に原因があるのかまで説明することによって、会社は消費者に対して、危機の解消・予防、危機の拡大防止に関する効果的な情報を伝えることができます。
また、消費者も、自分が保有している製品から事故が発生するかどうかを的確に判断することができます。

●再発防止策の説明をする

危機管理広報では、危機(リスク)の再発防止策についても説明しなければなりません。
会社が謝罪、事実経過、原因を発表するだけで、同じ危機を繰り返す可能性を残したままでは、危機の解消・予防、危機の拡大防止という目的を達成できないからです。
再発防止策は、判明した事実、究明された原因の内容に即して、その事実、原因を解消できるように説明しましょう。

●会社がとる責任について

忘れてはならないのは、危機に対する会社の責任です。
例えば、社長が辞任するという安易な責任の取り方では、社内がかえって混乱するだけで、会社は危機の解消・予防、危機の拡大防止という目的を達成することはできません。
会社がとるべき責任の取り方も、危機の大小、拡大可能性、危機の緊急性、事実・原因の内容、事実・原因の発生時期、再発防止策などを考えながら、適切な方法を選択すべきでしょう。

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