不妊を理由に離婚できるの?妊活に非協力的な夫との離婚
不妊を原因に離婚が出来るのか
現代の日本では、初婚年齢が年々上がってきていることから、高齢妊娠も増加してきました。それにともない、増えているトラブルが不妊についてです。
日本産婦人科医会の発表したデータによると、30代未満の不妊の頻度は9パーセント以下と比較的低い割合です。しかし、年齢が進むにつれて割合が高まってきます。自然の摂理として、加齢による不妊率が増加するのは仕方ないことかもしれません。
不妊を理由に離婚を切り出された場合、不妊の原因のある配偶者が有責となってしまうというのは理不尽を感じる方が多いのではないでしょうか。
とはいえ、不妊が直接原因で、有責配偶者になることはほとんどありません。というのも、不妊が理由で、必ずしも夫婦関係の破綻が起こるとは限らないからです。
ではどのようなケースになると、有責配偶者になるのでしょうか。確認していきましょう。
間接的な原因が不妊であるのならば、離婚は可能
前章では、直接的な理由が不妊で離婚するのは難しいことをお伝えしました。しかしながら、不妊がきっかけで有責になるケースもあり、以下に当てはまる場合には相手方の同意なしに離婚が出来るかもしれません。
①妊活に非協力的
残念ながら現代の医療を用いても、年齢関係なく妊娠することは出来ません。したがって妊娠・出産にはタイムリミットがあると言っても良いでしょう。
妻側が妊娠を望み、妊活をのぞんでいるのにも関わらず、理由もなく妊活を拒否することは、有責離婚事由に該当する可能性があります。とはいえ、妊活は保険適用されないケースが多く、費用がどうしても高額になってしまいがちです。
本当に理由なく、妊活を拒否しているのか、夫側の言い分を聞くことも大切になってくるでしょう。
②不妊の理由がどちらかわからないのに一方的に妻をなじる行為
「不妊」に関して暴言を吐くことは言葉の暴力です。具体的には、「お前のせいで子どもが出来ない」「子どもを産めないくせに」のような言葉が該当するでしょう。
このような暴言は、妻に対する侮辱行為にあたると考えられます。たとえ妻側に不妊の原因があったとしても、侮辱行為をおこなったことには変わりありませんので、有責離婚事由になりえる行為と言っても良いかもしれません。
③セックスレスで性行為がない
「妊娠しないのだから」といったことを理由に、夫婦の一方が性行為を望んでいるにもかかわらず、拒否することは有責離婚事由にあたる可能性があります。
そもそも性行為とは、種を残すだけの行為ではなく、コミュニケーションとしての意味合いも持ちます。
したがって不妊を理由に、夫が性行為を一方的に拒否する行為は、夫婦関係を破綻させる原因になりかねないのです。
以上が不妊を間接的な理由として、離婚できるおもな理由でした。
離婚するためにはどんな順序を踏めばいいのか
前章では、不妊を間接的理由とした離婚が可能になるおもなケースを紹介しました。しかし、夫婦の性の問題はとてもデリケートなものであり、有力な証拠は各夫婦によって異なると思います。そのため、不妊で離婚を考えている場合には、まず夫婦同士で話し合いをすることが大切です。
互いが互いに結婚生活に何を望んでいるのか、夫婦にとって子供をつくることは絶対事項なのか、認識のすり合わせをすると良いかもしれません。
しかし中には、話し合いに応じてくれないパートナーもいると思います。そういった場合には、調停を申し立てることも手段のうちです。調停には、いくつかの種類があり、離婚の意思が固い場合には、「夫婦関係調整調停(離婚)」を申し立てると良いでしょう。
一方で、離婚を望んでいない方には、「夫婦関係調整調停(円満)」というものもあります。自身の考えを冷静に見つめ、検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は不妊や妊活が原因での「離婚」についてさまざま論じてきました。夫婦のかたちは、それこそ夫婦の数だけあります。子供を産み、育てることはとても大切なことですが、それだけが人生の価値すべてではありません。
夫婦での話合いをして折り合いがつかなかった場合には、調停のほかに弁護士に相談することも方法のひとつです。離婚がしたいのか、夫婦関係を継続したいのか、自身の意志を確認したうえで、一度考えてみてはいかがでしょうか。
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