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リー二エンシー制度の利用を念頭に置いた内部統制システム

企業は、カルテルに伴うリスクを除去・管理するため、それを予防することのみならず、違反行為を早期に発見すること、違反行為が発覚した後は、リーニエンシー制度の早期利用を可能とすべく、速やかに事実を把握し意思決定を行う体制を整えておくことまでを念頭において、内部統制システムを構築する必要があります。
リーニエンシー申請が早ければ早いほど受けられる恩恵は大きくなるため、カルテルの早期発見を目的とした体制を構築することは、リーニエンシー制度を利用するにあたっても非常に有益といえるでしょう。
では、カルテルの早期発見を可能とするにはどのような体制を構築するべきでしょうか。

●内部監査制度

価格決定権があり、競合他社と接触する機会のある営業部門等の部署については、内部監査を行うことが望ましいとされています。
その手法については、書類調査、メール調査、社員(使用人)への聞き取り調査、経営陣との面談などが挙げられます。

●内部通報制度

コンプライアンス担当部署による社内窓口、および弁護士など、外部専門家による社外窓口を設置することが要請されます。
また、通報制度を実効性のあるものにするため、経営陣による呼びかけ、社内報などによる広報の徹底も必要でしょう。

●社内リーニエンシー

公正取引委員会が、リーニエンシーを活用してカルテルを把握するのと同様に、企業内においても早期にカルテルを発見するための方策として、社員の自己申告制度(社内リーニエンシー)を導入する事が考えられます。 
自己申告と引き替えに懲戒処分の程度について考慮することも検討すべきでしょう。

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