～保険会社の基準と弁護士基準は違います～
交通事故に遭った際には、その賠償額をめぐり保険会社と交渉することになります。
けれども、この際保険会社が提示する賠償額は、本来受け取れるべき賠償額より低く提示されるケースがあります。
これは、保険会社が賠償額を算定する際に採用している基準が低いためです。

～交通事故の賠償額を算定する基準とは～
■自賠責保険基準
自賠責保険基準とは、自動車損害賠償保障法が定めている基準です。保険会社が提示する賠償額は、この自賠責基準に基づいて算定されていますが、自動車損害賠償保障法が、そもそも最低保障を目的としていることから、交通事故の賠償額を算定する基準の中で最も低く算定される基準となります。

■任意保険基準
任意保険基準とは、各保険会社が独自に設定している基準です。自賠責基準よりは高額に設定されているケースが多いようですが、保険会社独自の算定基準であり被害者救済を目的としている基準ではないことから、やはり本来受け取れるべき賠償額よりは低い基準となります。

■裁判基準(弁護士基準)
裁判基準(弁護士基準)とは、過去の裁判等を元に設定された基準で、弁護士が保険会社と交渉する際にはこの基準に基づいて交渉を行います。
「仮に裁判になった場合に受け取れるであろう賠償額」となりますので、保険会社も弁護士が介入するだけで裁判を避けるために、提示額を変更してくる場合もあります。

以上のように、それぞれの基準に基づいて算定された賠償額には大きな差があり、時として数倍、数十倍と賠償額が増額されるケースもあります。
「保険会社から提示された示談内容に納得出来ない」と不満を感じながらも、交渉のわずらわしさから仕方なく示談に応じてしまう方も多々いらっしゃいますが、本来受け取れるべき賠償額を獲得するためにも、示談に応じる前に弁護士にご相談下さい。