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多様な葬儀スタイル

以前は、地域の慣習に則った昔ながらのお葬式を行うことがほとんどでした。しかし、近年では宗教のしきたりにとらわれず、自由に故人様をお見送りする「無宗教葬」に注目が集まり、さまざまなスタイルの葬儀形式が登場してきています。
どのような葬儀スタイルにするかは、「こんな葬儀にしたい」という希望を叶えるのに最も適したものを選ぶと良いでしょう。

~葬儀の種類~
お葬式の種類は、宗教や規模、日程ごとに分類することができます。また、それぞれ儀式に含まれる内容や費用が異なります。
主な葬儀スタイルは、以下の通りです。

■一般葬
一般葬は、亡くなられた方と生前親交のあった人々を広くお呼びして行うごくごく一般的な葬儀スタイルをいいます。葬儀の規模は喪主の方がお呼びした人数にもよりますが、30~120人程度で行うのが一般的です。家族葬や直葬に比べて葬儀費用はかかるものの、大勢の人々で故人様をあたたかくお見送りすることができます。どのような葬儀にすればいいのか迷ったら、一般葬を選ぶ方が多くいらっしゃいます。

*メリット
・故人様と関係のあった方々みんなで故人様をお見送りすることができる
・葬儀の参列者を制限しないため、葬儀に誰をお呼びすればいいのか迷うことが少ない
・参列者からいただく香典が多いため、香典収入を葬儀費用に充てることができる
・故人様と関係のあった方々のほとんどが参列してくれるため、葬儀後の弔問客に頻繁に対応する必要がない
・宗教的儀礼に則った伝統的な葬儀スタイルであるため、しきたりに厳格な方々からも理解を得ることができる

*デメリット
・葬儀費用の総額は他の葬儀スタイルに比べて高い傾向がある
・参列者からの香典収入を葬儀費用の一部に充てることができる
・喪主や遺族は、参列者に対する挨拶や対応に忙しくなる
・人数が多いと、利用できる大きな斎場の数が少なくないため斎場を選ぶ選択肢が減る
・葬儀費用は、200万円程度かかる

■家族葬
家族葬とは、亡くなられた方のご家族や親族の間で行う小規模な葬儀スタイルをいいます。「家族」葬といっても、必ずしも身内だけで行うわけではなく、故人様と生前ご縁の深かった親しいご友人もお呼びして行うこともあります。参列者の人数は、5人~30人程度になるのが一般的です。

*メリット
・参列者が少数の場合、ご自宅で葬儀を執り行うことができるケースがある
・一般葬に比べて、費用を抑えることができる
・一般葬と同様に宗教的儀礼をしっかり行うため、しきたりに厳格な方々からも理解を得ることができる
・多くの場合、100万円以下で葬儀を行うことができる

*デメリット
・参列者の人数が少ないため、香典収入を支払いのあてにできない
・当日参列しなかった人が、後日自宅などに弔問に訪れるケースがある
・式に誰をお呼びすればいいのか、頭を悩ませることがある
・参列できなかった人の中には、「なんで葬儀に呼んでくれなかったのか」とトラブルになることがある

■一日葬
一日葬とは、通常2日間かけて葬儀を行うところ、日程を1日に短縮して行う葬儀スタイルをいいます。日程を短縮するため、お通夜を行わず火葬場の予約日に、葬儀と告別式を行うのが特徴です。仕事で葬儀にあまり時間をかけることができない方や、高齢で葬儀の全日程を執り行うのは負担が大きい方が喪主となったときよく選ばれています。

*メリット
・お通夜がない分、葬儀と告別式の準備に時間を割くことができる
・日をまたがないため、遠方からの参列者は宿泊せずに日帰りで参列することができる
・故人様とお別れする機会を最低限儲けながらも、喪主の葬儀に対する負担を軽減することができる
・式を全く行わないわけではないので、菩提寺から理解を得やすい


*デメリット
・二日間に分けて訪れていた参列者が、葬儀と告別式に一挙に押し寄せるため、遺族は対応に忙しくなる
・日程の都合上、昼間に参列できない人は、故人様と最後のお別れをすることができなくなる
・伝統的な慣習に厳格な親戚や知人から苦言を呈されることがある

■火葬式(直葬)
火葬式とは、お通夜や葬儀などの宗教的儀礼を行わず火葬のみで故人様をお見送りする葬儀スタイルをいいます。火葬式は、数ある葬儀形式の中で最も簡素な葬儀スタイルであり、かつ最も費用のかからない葬儀形式でもあります。通常、葬儀には200万円前後かかるところ、火葬式では20~30万程度で葬儀を済ませることができるため、とにかく安く費用を済ませたい人に好まれています。また、必ずしも式を行わないわけではなく、火葬場で簡単な葬儀を行ったり、火葬炉の前で僧侶の方に読経を唱えていただくこともあります。
なお、法律により死後24時間は火葬できないため、亡くなられてからすぐに火葬するわけではなく、数日間待機してから荼毘にふします。

*メリット
・式を行わないため、非常に低価格で火葬まで済ませることができる
・お葬式の準備の時間を大きく減らすことができる
・参列者の対応をしなくて済み、葬儀後の香典返しをする必要がない

*デメリット
・戒名を受けないため、基本的に寺院に納骨することができない
・別れを惜しむ機会がないため、親戚や友人から反感を招く恐れがある
・火葬場の予約日まで安置場所の確保が必要
・喪主本人が、十分なお別れができなかったことで、亡くなられた方の死に気持ちの区切りをつけることができないことがある

■無宗教葬
無宗教葬は、伝統的なしきたりや慣習にとらわれず、自由に葬儀形式を選んで最近注目を集めている葬儀スタイルです。故人様が生前好まれていた音楽を演奏するほか、思い出のスライド写真やビデオを流しながら別れを惜しむ式をおこなうこともあります。無宗教葬を行うときは、基本的に寺院に納骨せずに宗派を問わない霊園へ納骨するか、自然に還る形で山や海に散骨するのが一般的です。

*メリット
・宗教の形式に則らずに自由なお葬式を行うことができる
・決まった形式がないため、葬儀社との打ち合わせや準備に時間がかかる
・式を通して故人様の趣味や人柄が分かり、心のこもった葬儀を行うことができる
・基本的に、一般のお葬式よりも費用がかからない

*デメリット
・戒名を受けないため、基本的に寺院に納骨することができない
・親族や親戚から理解を得る必要がある
・伝統的なお葬式に慣れていない人は戸惑いを覚えることがある

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