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移転価格課税について

◆移転価格とは◆

移転価格(Transfer Pricing; TP)とは、簡単に言うと、企業グループ内の取引価格の事です。
具体的に言えば 日本の自動車メーカーが海外の子会社に自動車を輸出するときの輸出価格のことを指しています。
普通に考えれば、親会社と小会社の取引ですので一見すると自由に価格を決めて取引できそうなんですが、ここにどんな問題が潜んでいるのでしょうか。

◆移転価格により影響を受けるものとは◆

例えば、日本の親会社で100のコストで自動車を製造したとします。そしてその自動車を海外の子会社で200でエンドユーザーに販売するとします。このときの移転価格(親会社から子会社に販売される価格)が問題となります。

ケース1:移転価格を130に設定した場合

親会社の利益は30、子会社の利益は70、グループ会社としては100の利益が出た事になります。

ケース2:移転価格を180に設定した場合

親会社の利益は80、子会社の利益は20となり、こちらもグループ会社としては100の利益が出た事になります。

なんだ、同じか、と思われるかもしれませんが、国際間では別の問題が発生するのです。
確かに会社全体としての利益に変化はありませんが、日本で発生した利益、海外で発生した利益、と分けてみた場合に違いが出ています。そうなると、当然法人税などが課税される金額が増減する事になり、子会社の国の税制に応じて価格を調整してタックスマネジメントが出来てしまうのです。しかしこれには事前に検討しなければならない大きなリスクがあるため、慎重に考えなければなりません。

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