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お葬式の費用は遺産から出せるの?

■葬式費用は遺産から出せるのか?
葬式費用は、通常、数十万から数百万するものが多く、葬儀後1週間程度をめどに支払いを済ませるケースがほとんどです。しかし、そんな大金をすぐ用意できるとは限りません。そのようなとき、相続財産である「被相続人の預金口座」からその資金を充てることは可能なのでしょうか?
通常は、銀行は、口座名義人の死亡を知った時点で口座を凍結させます。窓口引き出しやキャッシュカード引き出しはもちろんのこと、入金送金などのその預金口座にかかることの一切を取り扱うことができなくなってしまいます。これは、被相続人が死亡した時点でその預金の引き出し債権は、相続人に帰属するからです。相続人が複数存在する場合に、誰が何をどれくらい相続するのかを決定してない段階で、引き出しを認めてしまうと、後々の相続人間のトラブルの火種となってしまう恐れがあり、そういったことを防ぐために、被相続人の口座を凍結することによってそういった事態の発生を防いでいるのです。
では、葬式費用は遺産から出せないのでしょうか?
答えは引き出すことができます。

■相続財産から差し引ける葬儀費用とそうでないもの
葬儀費用は、相続財産から差し引くことはできますが、それにも限度があります。ここでは、どの費用が総費用として認められていて、どれが認められていないのかについて説明します。

?葬儀費用として認められているもの
①死体の捜索、または死体や遺骨の運搬にかかった費用
②遺体や遺骨の回送にかかった費用
③葬式や葬送にかかった費用
④火葬や埋葬、納骨にかかった費用
⑤お通夜など葬式の前後に欠かせないものにかかった費用
⑥葬式にあたってお寺などへ読経料としてかかった費用

?葬儀費用用として認められていないもの
①香典返しにかかった費用
②墓石や墓地の購入費用や墓地を借りるためにかかった費用
③初七日や四十九日法要などにかかった費用
④仏具代

葬儀費用として認められているものは、葬儀をする上でも欠かせないものであり、ある程度仕方ないものだと言えます。一方、葬儀費用として認められていないものは、社会儀礼であり、必ずしも必要とは認められていません。

■相続税の控除
葬儀費用は基本的に相続税の控除の対象です。上記で認められているものにかかった葬儀費用であれば、相続税から控除されます。ですので、葬儀費用に関する領収書は基本的に保管しておき、相続税が発生した場合は、控除を申告しましょう。

■この場合、相続放棄はできるの?
相続放棄の条件の一つに、「相続財産を一切放棄していないこと」というものがあります。とすると、葬儀費用を相続財産から引き出してしまった場合、相続放棄は不可能なのでしょうか?
答えは、一般的何適当な葬儀費用の範囲内であれば、可能です。
個人の身分相当の葬儀であれば、葬儀費用を遺産から支払うことも問題はないと思われます。

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