家族信託とは、将来相続の発生が予想される不動産・預貯金等の資産をご家族に民事信託し、管理・処分を任せる信託契約制度です。資産の運用状況を、本人が元気なうちにチェックすること可能です。

家族信託は、柔軟な財産管理と自由な資産運用で親子孫世代に渡って継続することができ、二重相続の問題を解消した相続・成年後見制度に代わる新しい財産継承制度として注目されています。

■相続と家族信託の違い
相続では、土地や建物など、分割が難しい遺産になると、共有という形で遺産分割されてしまい、その活用や売却、運用が難しくなるケースが多く見られます。家族信託は遺産が分割されず、スケールメリットを活かした有益な資産活用が可能です。

■成年後見制度との比較
成年後見制度は、資産の売却などが自由にできず、裁判所の許可が必要となります。財産を減少させる可能性のある資産運用や相続税対策もできません。また後見人は、裁判所に対して定期的に報告を行う義務があり、後見人へ毎月発生する報酬もバカになりません。

■家族信託のメリット
家族信託は制約の少ない柔軟な財産管理と自由な資産運用計画を世代に渡って継続できます。しかし契約行為になりますので、本人に判断能力があるうちに締結する必要があります。判断能力が失われてしまった場合には成年後見制度を利用するしかありません。メリットとデメリットを理解してから運用する必要があります。