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商標権

商標(しょうひょう)とは、商品を購入し、あるいは役務(サービス)の提供を受ける需要者が、その商品や役務の出所(誰が提供しているか)を認識可能とするために使用される標識(文字、図形、記号、立体的形状など)をいい、商品の販売に際しては商品または商品の包装、役務の提供に際しては、役務の提供に使用される物や電磁的方法により行う映像面に付して使用する。需要者は、標章を知覚することによって商品や役務の出所を認識し、購入したい商品、または提供を受けたい役務を選択することができる。
商品の販売や役務の提供を継続すると、使用されるブランドは需要者に広く知られることとなり、商品の品質や役務の質が一定以上のものであれば、業務上の信用力(ブランド)が化体し、財産的価値が備わるようになる。この財産的価値は、特許権や著作権にならぶ知的財産権の一つと位置づけられ、条約や法律による保護対象となっている。これにより産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することができる。

■商標の種類
商品の出所を表示するものと役務(サービス)の出所を表示するものがある。このうち、商品の出所を表示するものを「トレードマーク」(trademark,TM) とよび、役務の出所を表示するものを「サービスマーク (service mark,SM) と呼ぶこともある。たとえば、銀行のようなサービス業は「サービスマーク」を使用することになる。
商標には、文字、図形、記号といった平面的なもののほか、特徴的な商品の形状、店舗に設置される立体的な看板など、立体的形状からなるもの(立体商標)と、これらが結合されたものがある。また、視覚によって認識される標章の他に、音響、匂い、味、手触りも、店舗などでそれらを知覚した需要者が商品や役務の出所を認識できる程度の著しい特徴を有していれば、商標としての機能を発揮する。

■商標登録の手続き

商標登録の手続き
商標登録は、次のような流れになる。

1.特許庁長官に願書を提出する。
2.特許庁長官による方式審査(書面の不備の審査)が行われる。書面に不備がある場合には特許庁長官は、補完すべしと命じなければならない。
3.特許庁審査官による実体審査により、登録要件を満たしているかが審査される。
4.実体審査により、拒絶の理由が発見された場合には「拒絶理由通知書」が、特許庁から送達される。出願人は「手続補正書」を提出して出願の内容を訂正することによって拒絶理由を解消したり、指定期間内に「意見書」を提出して審査官の認定に反論することができる。
5.拒絶の理由が発見されない場合(もしくは、「拒絶の理由」が解消した場合)には査定が行われ、査定の謄本が出願人に送達される。
6.査定の謄本が送達された場合は、その送達の日から所定の法定期間(30日)内に10年分の登録料(もしくは半期分の「分割納付」)を納付することにより、設定の登録がされ、商標権が発生する。
7.商標権の設定の登録があったときは、その内容のうち法が掲げる事項が、特許庁が発行する商標公報に掲載される。
8.審査で、「意見書/手続補正書」等を提出しても、拒絶の理由が解消しない場合には、拒絶の理由が送達された日から40日を目途として、行政処分である拒絶査定が行われる。拒絶査定に不服がある場合には、拒絶査定の謄本が出願人に送達されてから3月以内に、特許庁長官に対し「拒絶査定不服審判」を請求することができる。
9.拒絶査定不服審判の請求に対して、特許庁審判官の合議体は審理を行い、審判成立(請求認容)または審判不成立(請求棄却)の審決を行い、審判請求人(出願人)に審決謄本を送達する。
10.前記の審決に不服のある場合は、その審決の謄本が送達された日から30日以内に東京高等裁判所(知的財産高等裁判所)に審決取消の訴を起こすことができる。

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