立退料の算出方法

■立退料の算出方法

実際に立退料の金額はどのくらいが相場となるのでしょうか。

立退料は家賃の6か月～1年分が相場ではないかと言われていますが、実際は立退料計算式の算式というものが正式に存在するわけではありません。なぜなら、立ち退き請求はケースによって当事者の環境や双方の事情が異なるため、一概に明確な立退料の基準を定めることができないからです。
また、そもそもほとんどのケースが裁判所外の話し合いで決められているので、明確な相場や基準というものは存在しません。

もちろん、いくつもの判例も存在しますが、すべてその状況が自分たち同じではないため、判例による立退料の算出は予測にすぎないのです。そのため、賃貸人と賃借人の双方の事情を踏まえながら、借地権価格などを参考に立退料の金額を定めるのが一般的です。

どのような事情が考慮されるかというと、賃貸人が立退きを申し立てている事情、賃貸人が移動できない事情、あるいは当事者の年齢、職業、資産、健康状態、家族関係や、建物の場合には建築年数と老朽化の程度、賃貸借契約の種類や年数、立地条件、敷金・礼金の有無などです。
このような事情をすべて考慮したうえで、貸主側の事情がより強い場合には立退料が低くなり、逆に借主側の事情がより強い場合には立退料が高くなる傾向があります。
また、賃借人側の正当事由が強ければ立退料が0円で明け渡しが認められる場合もあります。


■立退料で悩んだら専門家に相談すべき

このように、立退料には明確な算出方法がないため、自分自身で定めることは困難です。立ち退き請求では相手方と交渉を行う必要があり、自分が定めた金額が妥当なのか不当なのかも判断することも難しいため、多くの場合は弁護士に依頼を行うことが多いようです。
専門家に依頼を行う事により、相手方との交渉がこじれる可能性は軽減されますし、面倒な手続きを全て任せてしまうことができます。それに加え、賃貸人の場合は、弁護士に依頼することによって、自分が請求した立退料が適切であるかを判断してもらうことも可能です。